節約してても旅がしたい

旅行、鉄道、航空、たまにアウトドアーな情報を備忘録的に書いてきます。

18きっぷで使えるお得で楽な長距離列車たち② ~JR北海道編~

 ためされる大地を走る長距離列車

 第一回ではムーンライトながらムーンライト信州81号を取り上げました。今回はJR北海道の長距離列車を紹介します(臨時列車含む)。JR北海道というと近年は不祥事や路線・駅の廃止でニュースを騒がせていますが、個人的には過酷な自然環境、沿線の人口減少を考えると従業員はよくモチベーションを保っているなと感心しています。話がそれましたが、北の大地を走る長距離をご紹介します。

 

①特別快速きたみ(旭川15:37-北見18:58、北見10:28-旭川13:50)

 石北本線旭川からオホーツク総合振興局内の中心都市北見までを結ぶ「特別」快速です。特別の名の通り旭川~上川間は途中当麻しか停車しません。時刻表で見るとまさに圧巻です。しかし、上川以東は瀬戸瀬、生野、西留辺蘂の3駅のみ通過となります。全区間乗りとおすと普通運賃で3,990円で18きっぷ1回分で十分元が取れます。

 下りの旭川場面では(岩見沢14:03発)15:38着函館本線普通列車がタッチのタイミングで間に合いません。札幌方面からだと、(岩見沢11:33発)12:55着の列車からの接続となるので、2時間半以上の待ち時間となります。なお北見からは19:04発の知床斜里行き(21:15着)に乗り換えができます。

 上りは緑6:51発、北見9:48着の列車が接続を受けます。ここでも、下りまでではないものの40分待ちとなります。なお、旭川では下り同様13:47発滝川行がきたみ到着前に発車しています。これもうちょっと何とかならないかなとも思いますが・・・改善に期待です。Wikiによると車両はキハ54の単行のようです。

 

石北本線快速 8585D(旭川20:01-北見23:04)

 こちらも特別快速きたみ同様、旭川~北見間を疾走する快速です。

 特徴は、きたみよりも停車駅が少ないことです。その恩恵がダイヤにも表れています。旭川を約1時間前に発車するオホーツク3号は旭川~北見を3時間ジャストで走破するので、その特急と3分しか変わりません。ちなみに、この快速の所要時間は大雪1号と同じ3時間3分です。

 気を付けなければならないのが、この列車は2019年2月24日までの金~日曜日の運転であることです。おそらくビジネス用途よりも買い物帰りや帰省向けの設定なのでしょう。なお、この列車もきたみと同じく、旭川まともな乗継はありません。Twitterで調べてみると、車両はきたみ同様キハ54の単行のようです。しかし、単行でも旭川時点での乗車人員は良くて20人という有様。。。

 

③宗谷本線普通 321D⇒4323D⇒4325D(旭川6:03-稚内12:07)

  宗谷本線全区間を1本で走破する普通列車です。所要時間はなんと6時間越え!しかし、列車番号は通しではなく、名寄で4323Dに、幌延で4325Dにそれぞれ改番されています。これは列車番号の付番の仕方にあります。列車番号は同じ車両を使う場合で、増解結時や折り返し駅到着時、長時間停車時、他社直通時、乗務員乗継時、その他運転業務上必要な場合に改番されます。この列車の場合ですと名寄で車両を分割、幌延で長時間停車がそれぞれある為、改番が行われていると思われます。普通運賃で乗り通すと5400円ですので、十分に元が取れています。途中駅での停車時間は名寄で8分、豊清水で5分、音威子府で3分、幌延で22分、豊富で6分の停車があります。音威子府は駅そばが有名ですが、さすがに3分では厳しそうです。また、豊清水は交換設備があるだけの無人駅なので食料・水分調達は計画的に。

 

北海道の厳しい自然が鉄路にも・・・

北海道の長距離列車と言えば、根室本線滝川~釧路の約300キロを8時間で走破する列車2429Dがありましたが、根室本線は2016年8月の台風被害で東鹿越~新得でバス代行を行っています。そのためこの列車も区間運転となっています。全線運転再開の目途は立っていません。また根室本線区間はもともと利用者が少なく、JR北海道も「単独では維持することが困難な線区」としてバス転換への道を模索しています。石北本線、宗谷本線も安泰ではありません。JR北海道の長距離列車に明るい未来は来るのでしょうか・・・

18きっぷで使えるお得で楽な長距離列車たち①

そもそも18きっぷとは

 正式名称は「青春18きっぷ」でJRグループが共通で発売する数少ない特別企画乗車券です。18きっぷのルールを大まかに説明すると、

  • 中高生の春夏冬休みに入る約1~2週間前から長期休暇の終了日~約1週間までが利用期間(発売期間は利用期間からそれぞれ10日ほど前倒し)
  • きっぷ1枚で期間内に任意の5日分が乗り降り自由、また複数人での同時利用も可能。(1人で日帰り旅行×5日や、1人で1泊2日の旅行をし残った3人で日帰り旅行することもできる)
  • JR全線の普通・快速列車の普通車自由席が乗り降り自由。指定席、ライナー券、首都圏等の普通列車グリーン券を買い足せばそれらも利用可能。ただし、新幹線や特急、普通、快速列車でも指定席グリーン車を利用する場合には特急券、グリーン券の他に乗車券も必要。

このようになります。詳しくはJR各社のお得なきっぷのページを参照してください。

おトクなきっぷ:JR東日本

 

お得で楽な長距離列車たち

 さて、この18きっぷですが11,850円で発売されています。5日分乗り放題なので1日当たり2,370円となり、当然1日で利用するのであれば運賃2,370円分以上電車に乗らないと元は取れません。また、単純往復であれば片道あたり1,190円分乗車しなければなりません。また、この額は謂わば損益分岐点でありそれ以上乗れば乗るほどお得額は上がっていきます。東海道本線の場合、片道では東京~吉原(2,570円)、単純往復では東京~二宮(1,320円)以上の区間で乗車しなければ元は取れません。単純往復であれば複数回乗り換えを必要とする場合はあまりありませんが、片道利用だとかなりの確率で複数回の乗り換えが発生します。国鉄時代かつて直通で行くことのできた場所でも、JRの分割民営化や運用効率化により1列車の運転区間は短くなっているのが現状です。そんなご時世でも、少数ながら長距離を1本の列車で走破する列車が存在しています。今回はそれらの長距離列車をご紹介していきます。(おそらくシリーズ化されます)

 

①快速ムーンライトながら(東京23:10-大垣5:50)

 言わずと知れた定番列車です。ながら=18きっぷと言っても過言ではないでしょう。車両は特急踊り子でも使用している国鉄185系10両で全車指定席です。なお、日付が変わってから最初に停まる駅は小田原(0:31発)です。小田原から大垣まで乗車すると普通運賃で5,620円と、既に18きっぷ1日分を大幅に超えています。大垣まで乗車する人の多くが乗り継いで関西方面まで向かいますので、さらに西を目指すのであればさらにお得額は上がっていきます。また、小田原から名古屋(5:19着)で下車した場合でも運賃は5,080円ですのでまだまだお得です。もちろん、この列車からさらに乗り継いでいけばいくほどお得額は上昇します。さらに、この列車は夜行列車ですので宿代わりにもなる優れものです。

 

②快速ムーンライト信州81号(新宿23:54-白馬5:10)

 こちらもながらと同じ、夜を徹して走る全車指定席の夜行列車です。こちらで使われている車両は、国鉄型の189系6両です。こちらの列車は、ながらとは車内の雰囲気が異なっており、ながらは旅行者メインであるのに対し、信州は白馬という行き先からも分かる通り夏は登山客、冬はスキーヤーが目立ちます。もちろん旅行客も多く乗っており、大糸線を北上したり、中央本線名古屋方面や篠ノ井線方面に向かう乗客もいます。信州が新宿を発車し日付が変わる駅は立川(0:29発)です。立川~白馬までの乗車で4,750円、立川~松本(4:32着)の場合は3,350円と走行距離がながらより短いため、お得額も減少しています。なお、大糸線糸魚川から先、篠ノ井信越本線を乗り継いでいくと、どちらも第三セクターの鉄道会社を経由することとなるので、別途運賃が必要となるのでお得額が上昇しづらい面もあります。

 

もちろんデメリットもある

いいことづくめのながらと信州ですが、当然デメリットもあります。

  • 全車指定席のため、指定席券が確保できなければ立席でも乗車できない
  • 運転日が減少し続けている
  • 快適とは言い難い設備

乗車する前の第一の難関が指定席の確保です。どちらも全車指定席の人気列車ですので、どちらも指定席の発売初日には満席になってしまいます。計画は早めに立てて、指定席が確保できなかったときは、強行乗車はせず行程を変更しましょう。

二つ目のデメリットは運転日が減少していること。かつてはながらは定期列車として、信州も以前は定期急行列車アルプスとして走っていましたが、現在は18きっぷシーズン中の一部しか運転されていません。原因としては、格安の高速夜行バスや登山バスの拡充、駅・乗務員の負担低減などが挙げられます。

そして、使用している車両が古いのも問題です。どちらの列車も国鉄時代に設計製造された車両です。実際乗ってみると浅いリクライニング、狭い足元、うるさいモーター、きしむ車体等々、伊達に年期が入っている車両ではないなと感じさせます。とはいえ、18きっぷ1回分+指定席券520円で乗車できるのであれば文句は言えないところです。

 

さて、今回は上記の2つの列車を紹介しましたが、次回はJR北海道管内の長距離列車について紹介していきます。

ブログ開設しました

開設の経緯

はじめまして。yss-tと申します。当方ブログは初挑戦です。

いきなりですが、なぜこのブログを開設したかというと、私、趣味の旅行が高じて旅行業系企業に勤めているのですが、その中でこんな有益な情報があるのにもったいない!なぜ知られていないの?というような情報がたくさんあります。

特にその制度の特殊性から中々情報が発信されていないのが鉄道・航空関連です。

私自身、鉄道・航空関連は旅行の他に乗ること自体も趣味の一つで、ネットや指南雑誌等で情報を漁りまくってました。しかしそれらで知り得た情報よりも、現在の仕事上で得ることができた情報の方が、はるかに有益かつ一般的なものだと感じたのです。

もちろん、ブログには部外秘になるような情報は記載しません。時刻表やホームページを熟読すれば分かるけど、中々気づかれないようなものを記載していきたいと思います。

また、保有しているJGCやアウトドア関連についても書いていきたいなと思っています。まだまだ文章を書いたり、記事を創ったりということに慣れていませんが、どうぞよろしくお願いいたします。