節約してても旅がしたい

旅行、鉄道、航空、たまにアウトドアーな情報を備忘録的に書いてきます。

18きっぷで使えるお得で楽な長距離列車たち①

そもそも18きっぷとは

 正式名称は「青春18きっぷ」でJRグループが共通で発売する数少ない特別企画乗車券です。18きっぷのルールを大まかに説明すると、

  • 中高生の春夏冬休みに入る約1~2週間前から長期休暇の終了日~約1週間までが利用期間(発売期間は利用期間からそれぞれ10日ほど前倒し)
  • きっぷ1枚で期間内に任意の5日分が乗り降り自由、また複数人での同時利用も可能。(1人で日帰り旅行×5日や、1人で1泊2日の旅行をし残った3人で日帰り旅行することもできる)
  • JR全線の普通・快速列車の普通車自由席が乗り降り自由。指定席、ライナー券、首都圏等の普通列車グリーン券を買い足せばそれらも利用可能。ただし、新幹線や特急、普通、快速列車でも指定席グリーン車を利用する場合には特急券、グリーン券の他に乗車券も必要。

このようになります。詳しくはJR各社のお得なきっぷのページを参照してください。

おトクなきっぷ:JR東日本

 

お得で楽な長距離列車たち

 さて、この18きっぷですが11,850円で発売されています。5日分乗り放題なので1日当たり2,370円となり、当然1日で利用するのであれば運賃2,370円分以上電車に乗らないと元は取れません。また、単純往復であれば片道あたり1,190円分乗車しなければなりません。また、この額は謂わば損益分岐点でありそれ以上乗れば乗るほどお得額は上がっていきます。東海道本線の場合、片道では東京~吉原(2,570円)、単純往復では東京~二宮(1,320円)以上の区間で乗車しなければ元は取れません。単純往復であれば複数回乗り換えを必要とする場合はあまりありませんが、片道利用だとかなりの確率で複数回の乗り換えが発生します。国鉄時代かつて直通で行くことのできた場所でも、JRの分割民営化や運用効率化により1列車の運転区間は短くなっているのが現状です。そんなご時世でも、少数ながら長距離を1本の列車で走破する列車が存在しています。今回はそれらの長距離列車をご紹介していきます。(おそらくシリーズ化されます)

 

①快速ムーンライトながら(東京23:10-大垣5:50)

 言わずと知れた定番列車です。ながら=18きっぷと言っても過言ではないでしょう。車両は特急踊り子でも使用している国鉄185系10両で全車指定席です。なお、日付が変わってから最初に停まる駅は小田原(0:31発)です。小田原から大垣まで乗車すると普通運賃で5,620円と、既に18きっぷ1日分を大幅に超えています。大垣まで乗車する人の多くが乗り継いで関西方面まで向かいますので、さらに西を目指すのであればさらにお得額は上がっていきます。また、小田原から名古屋(5:19着)で下車した場合でも運賃は5,080円ですのでまだまだお得です。もちろん、この列車からさらに乗り継いでいけばいくほどお得額は上昇します。さらに、この列車は夜行列車ですので宿代わりにもなる優れものです。

 

②快速ムーンライト信州81号(新宿23:54-白馬5:10)

 こちらもながらと同じ、夜を徹して走る全車指定席の夜行列車です。こちらで使われている車両は、国鉄型の189系6両です。こちらの列車は、ながらとは車内の雰囲気が異なっており、ながらは旅行者メインであるのに対し、信州は白馬という行き先からも分かる通り夏は登山客、冬はスキーヤーが目立ちます。もちろん旅行客も多く乗っており、大糸線を北上したり、中央本線名古屋方面や篠ノ井線方面に向かう乗客もいます。信州が新宿を発車し日付が変わる駅は立川(0:29発)です。立川~白馬までの乗車で4,750円、立川~松本(4:32着)の場合は3,350円と走行距離がながらより短いため、お得額も減少しています。なお、大糸線糸魚川から先、篠ノ井信越本線を乗り継いでいくと、どちらも第三セクターの鉄道会社を経由することとなるので、別途運賃が必要となるのでお得額が上昇しづらい面もあります。

 

もちろんデメリットもある

いいことづくめのながらと信州ですが、当然デメリットもあります。

  • 全車指定席のため、指定席券が確保できなければ立席でも乗車できない
  • 運転日が減少し続けている
  • 快適とは言い難い設備

乗車する前の第一の難関が指定席の確保です。どちらも全車指定席の人気列車ですので、どちらも指定席の発売初日には満席になってしまいます。計画は早めに立てて、指定席が確保できなかったときは、強行乗車はせず行程を変更しましょう。

二つ目のデメリットは運転日が減少していること。かつてはながらは定期列車として、信州も以前は定期急行列車アルプスとして走っていましたが、現在は18きっぷシーズン中の一部しか運転されていません。原因としては、格安の高速夜行バスや登山バスの拡充、駅・乗務員の負担低減などが挙げられます。

そして、使用している車両が古いのも問題です。どちらの列車も国鉄時代に設計製造された車両です。実際乗ってみると浅いリクライニング、狭い足元、うるさいモーター、きしむ車体等々、伊達に年期が入っている車両ではないなと感じさせます。とはいえ、18きっぷ1回分+指定席券520円で乗車できるのであれば文句は言えないところです。

 

さて、今回は上記の2つの列車を紹介しましたが、次回はJR北海道管内の長距離列車について紹介していきます。